ふたたび~swing me again~

ふたたび swing me again

2014年大注目の俳優といえば、鈴木亮平ですよ!

その鈴木の初映画主演作品がこの『ふたたび Swing me again』です。

そして監督は鈴木が「父」と呼ぶほどに尊敬する、大学に在学中から通っていた演技学校「アクターズクリニック」の主催者である【塩屋俊】です。

鈴木演じる主人公、貴島大翔の家に、既に亡くなったと聞かされていた祖父の、貴島健三郎がやってきます。

健三郎は若かりし頃、ジャズトランペッターとしてバンド活動が波に乗って来た矢先、ハンセン病に侵され、その夢を絶たれるどころか、当時の法律により、ある島の施設に50年間も隔離されていたのでした。

大学でジャズ研究会に入り、トランペットを吹いていた大翔はある作品をきっかけに健三郎と意気投合。やがて健三郎の頼みを聞いて、かつてのバンド仲間を訪ねる旅にでるわけですが、健三郎演じる財津は、この映画が持つ「ハンセン病」というテーマの重さ、ロードムービーに対する体力的な不安から、出演を拒んでおりました。

しかし、塩屋監督は3カ月にわたり粘り強くオファーをし、とうとう
「主人公の持つ50年の重みを背負えるのは、あなたしかいないんです」
という監督の熱意に押され、この役を引き受けることにしたそうです。

ここまで壮絶な体験を見事に演じきっている

健三郎の回想シーンを始め、この映画ではハンセン病に罹ってしまったが故に巻き起こる悲しい出来事が沢山描かれているのですが、それらのシーンの後に移される財津は、監督の口説き文句通り、その悲しみを味わってきたからこそ出るであろう存在感を、半端じゃない大きさで画面に滲み出しています。

そして、その病のために生まれた頃から一度も抱くことのできなかった、陣内孝則演じる息子を最初で最後に抱くシーンは、陣内の表情に引っ張られるように涙が溢れ出してしまいます。

そんな感動的で、大きな社会テーマに挑み、その熱意で出演を渋る俳優の心も変えた塩屋監督ですが、今はもう、次回作を期待することはできません。

塩屋監督は2013年6月5日、急性大動脈解離によりこの世を去りました

しかし、塩屋が手塩にかけて育てた鈴木亮平をはじめとした沢山の俳優は各方面で大活躍し、出演や監督した作品は今もなお人々の心を感動で震わせています。

見終われば、その素晴らしさゆえ、監督と同様に「ひとりでも多くの人に観てもらいたい」そう心から思える映画です。

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